離乳食で赤ちゃんにDHAを与える方法と注意点
妊娠中、授乳中はママさんがDHAを摂ることで、赤ちゃんへ栄養を送っていましたが、離乳期からは赤ちゃん自身がDHAを摂らなくてはなりません。
あまり小さいうちから「魚を食べさせなければ!」と焦る必要はありませんが、卒乳後は離乳食やフォローアップミルクでDHAを与えることを意識しましょう。
目次
DHA摂取のために離乳食で取り入れやすい魚
離乳食では、まず鯛などの白身魚や、しらすから始め、成長を見ながら徐々に食材の幅を広げていきます。
離乳食 前期(生後5~6ヶ月)
真鯛(白身魚)
白身魚である真鯛は、消化吸収がよいので離乳食におすすめです。
真鯛は、低脂肪で良質なタンパク質が豊富。うまみ成分であるグルタミン酸、疲労回復や新陳代謝に役立つアスパラギン酸。筋肉の成長を助けるロイシンなど、身体を作るのになくてはならない必須アミノ酸が多く含まれています。
離乳食の調理には刺身用の切り身を使い、茹でて身をほぐします。ただし、鯛の骨は硬いため、赤ちゃんが誤飲すると非常に危険です。刺身用でも骨が取り残されていないか、細心の注意が必要です。
しらす(要塩抜き)
しらすは、DHAのほかにもビタミンD、B12、カルシウムなど、多彩な栄養が豊富に含まれています。
骨もなく、手軽に使えて便利ですが、塩分量が多いところが難点です。塩抜きしても塩分は残っているので、与える量に気をつけましょう。
また、乾燥しらすには小さなエビやカニが混入していることがあります。赤ちゃんアレルギー反応を示す恐れもありますので、はじめて食べるときは目を離さないようにしてあげましょう。
離乳食 後期(生後7~11ヶ月)
ツナ缶(水煮)
離乳食用のツナ缶を選ぶか、食塩無添加、オイルフリーのツナ缶を選びましょう。
また、離乳食として安全に使うために、湯通ししてから使うと安心です。
離乳食での魚の与え方、進め方
離乳食前期・中期・後期で調理の仕方を変えていきます。
前期は「すりつぶす」「ドロドロ」を意識して、小さじ0.5~1杯といった少量から、魚を食べることに慣れさせていきます。
中期以降は「細かくほぐす」「荒くほぐす」など、お子さんが食べやすいように配慮します。
味付けは、かつお節や昆布の出し汁で煮る程度で十分です。砂糖、塩、醤油などの調味料は極力、使用します。
糖類や塩分の摂り過ぎは、味覚形成に悪影響を与えるほか、将来的の生活習慣病となるリスクもあります。薄味を心掛けるようにしてあげましょう。
乳幼児のDHA推奨摂取量の目安
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、乳児が1日に摂取すべきDHA(オメガ3脂肪酸)の量は、生後6ヶ月~11ヶ月で0.8gと、目安量が定められています。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
0~5ヵ月 | 0.9g | 0.9g |
6~11ヵ月 | 0.8g | 0.8g |
1~2歳 | 0.7g | 0.8g |
3~5歳 | 1.3g | 1.1g |
6~7歳 | 1.4g | 1.3g |
「日本人の食事摂取基準」2015年版(脂質)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042631.pdf
離乳食で魚を食べさせるときの注意点
赤ちゃんは消化器官が発達しておらず、細菌等への抵抗力も未熟であるため、魚を食べさせる際には色々と気を付ける必要があります。どんなところに注意すべきか見ていきましょう。
生魚はNG
調理の手間から生魚を与えたくなってしまうかもしれませんが、それはNGです。少し成長して、色々なものを食べられるようなる時期であっても危険です。
生の魚は骨やうろこなどを喉に詰まらせてしまうリスクや、食中毒の危険性が高いため、避けるようにしましょう。
赤ちゃんに与える食品は、新鮮なものを選ぶことが大前提ですが、採れたての新鮮な食材であっても、しっかりと中まで火を通すことを心掛けて下さい。
DHAは加熱に弱いけど離乳食は要加熱
DHAは加熱に弱い栄養素ですが、離乳食で魚を扱う場合は、食中毒のリスクを減らすためにも、必ず火を通しましょう。
たとえ加熱したとしても、含まれるDHA全てが無くなるわけではありません。
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アレルギーが出る可能性がある
さんま、さば、あじのような背の青い魚や、マグロ、カツオのような赤身の魚、また白身魚に分類されるものでも鮭のように身の色が赤い魚は、離乳食後期(生後9~11ヶ月)頃から与えるようにします。
これらの魚は、淡白な白身魚とは異なり、脂質が多いため、離乳食前期の赤ちゃんの身体では消化吸収が難しく、負担が大きいからです。
また、アレルギーを発症する心配もありますので早くから与えるのは避けるようにしましょう。
そして、初めてこうした魚を与える時は、必ず午前中に食べさせるよう配慮しましょう。もしアレルギーを発症したり、具合が悪くなったりしても、日中なら、どこの病院にでもスムーズに診てもらいやすい時間帯だからです。
神経質になり過ぎず、食べてくれたらラッキー程度に
DHAは赤ちゃんの発育に大切ですが、だからといって無理にたくさん食べさせる必要はありません。
赤ちゃんの場合は、将来、魚から十分にDHAを摂れるように「魚嫌いにさせないこと」の方が大切です。魚を食べることに慣れさせるという気持ちで、食べさせるようにしましょう。
食べ物の好みや食事の量に個人差があるように、赤ちゃんの味覚や成長の仕方にもそれぞれ個性があります。離乳完了の時期も遅い、早いがあるものです。
よその赤ちゃんと比べ過ぎず、成長を見守ってあげましょう。
フォローアップミルクでDHAを補える
離乳食で不足しがちな栄養を補うために、フォローアップミルクを上手く活用していきましょう。
- ほとんどのメーカーでDHAを配合
-
たくさんのメーカーからフォローアップミルクが販売されていますが、今ではほとんどのミルクにDHAが配合されています。
- 不足しがちな栄養も補える
-
ビタミン、ミネラルなどの栄養素も併せて補給できるうえ、不足しやすいカルシウムや鉄分等も手軽に補うことが出来ます。
- 離乳期向けなので安全性への配慮もバッチリ
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フォローアップミルクは、デリケートな赤ちゃん向けに作られているので、安全性が高く、徹底した品質管理が行われています。
メーカーによっては、小児科医に開発を依頼したり、国際的な食品安全マネジメントシステムの承認を取得したりと、安全安心へ配慮しています。
アレルギーに関するテストもきちんと行われていますので、低リスクで栄養を補うことが出来るのも魅力です。
まとめ
新生児から与えることができる育児用ミルクは母乳の代わりですが、フォローアップミルクは、離乳食で不足しがちな栄養素を補えるミルクです。
離乳食で魚を与えながら、おやつとしてフォローアップミルクを飲ませることで、DHA等の不足しがちな栄養を補うことができます。
1度の食事でたくさんの量を食べられない子にとっては、おやつも大切な栄養補給のチャンスです。
赤ちゃんの発育はとても早く、日々グングン成長していきます。栄養が不足しないように、食事や栄養バランスを気にかけ、我が子の成長を見守ってあげましょう。